2013.01.18更新

 道路交通法第52条には「車両等は、夜間道路にあるときは、政令で定めるところにより、前照灯、車幅灯、尾灯その他の灯火をつけなければならない」と定め、同法施行令第18条2項によって、自動車が幅員5.5m以上の道路に停車又は駐車するときはハザードランプ又はテールランプをつけることを義務付けている。そこで、道路を走行してきた車両が無灯火の駐車車両と衝突したときの過失相殺が問題となる。この点に関する判例を紹介する。
1 東京地裁平成20年7月25日判決
  夜間、駐車禁止の幹線道路の左折直進通行帯の半分以上を塞ぐ状態でハザードランプもつけずに駐車していた自動車に、後方から走行してきた自動車が追突したケースにつき、無灯火の駐車車両に40%の過失を認めた。
2 名古屋地裁平成4年1月29日判決
  交通閑散な夜間、直線で見通しはよいが付近一帯に証明設備がないために暗い国道の第1車線上に無灯火で停車していた自動車に後方から走行してきた自動車が追突ケースで、無灯火の駐車車両に40%の過失を認めた。

 以上の判例から、無灯火の駐車車両に追突した事故では、駐車車両の過失割合が結構大きく認められることがわかる。但し、道路の明るさなどの具体的事故状況が考慮される。

投稿者: 柏木幹正法律事務所