2013.05.01更新

 前回で離婚の慰謝料の話に触れたついでに、今回では離婚問題について書いてみようと思う。
 
 弁護士の扱う仕事も時代を反映してある程度の流行り廃れがある。しかし、私が弁護士稼業を始めて以来25年間、もっともコンスタントに依頼を受け続けてきたのが離婚事件である。常時数件の離婚事件を抱えているという印象である。これは個人事件を多く取り扱っているという私の事務所のスタンスにも由来する印象ではあるが、それだけ世の中の離婚の件数が多いということでもある。統計的にも離婚の件数は着実に増加している。一昔前には離婚経験者は肩身の狭い思いをしたかもしれないが、現在はバツイチ、バツニも別に恥ずかしいことではないという風潮である。

 家制度に引きずられた結婚観は既に過去のもので、個人主義の浸透した現在にあっては、離婚の増加も必然的な現象である。誰しも自分が幸せになるために結婚するのであるが、不幸しにてその結婚が失敗であったとしたら、その結婚に固執して夫婦関係の不和に絶え続ける必要はない。
 
 人生は短く、しかも一度しかない。幸せに結びつかなかった結婚には早々に終止符を打ち、新しい人生の可能性を追求したほうがお互いにとって幸せだ。そう考えれば離婚も悪いことではない。
                                                                        (次回へ)

投稿者: 柏木幹正法律事務所