2013.05.22更新

 確かに、このような法律をつくるか否かは婚姻観によって賛否の分かれるところで、是非の判断は微妙である。
 しかし、民法改正の成否にかかわらず、実際の裁判においては既にこれを認める傾向が圧倒的である。
 では、有責配偶者からの離婚請求によって離婚を余儀なくされる妻(または夫)は何によって救われるか。

 言うまでもなく、慰謝料の請求である。
 相手がそこまで離婚したいというのであれば、そんな不誠実な相手にしがみついていても幸せは望めない、相手からペナルティーを取って別れてしまいなさい、というわけである。
 しかし、裁判所は果たして意に反する離婚を強いられる者の納得を得られるだけの慰謝料額を認めるのか、ということが問題である。そこまで離婚の門戸を広げるのであれば、それに伴って慰謝料の基準も引き上げられるべきであろう。

 (以下、次回へ)

投稿者: 柏木幹正法律事務所