2013.06.27更新

投稿者: 柏木幹正法律事務所

2013.06.20更新

 この例(東京地方裁判所平成19年10月15日判決)では、製薬会社の従業員Aさんが自殺したことが業務に起因する精神障害によるものとして労災と認定されるか否かが争われた。

 Aさんは営業成績が上らないうえに幾つかの営業上のトラブルを抱え、上司に叱責させることが多く、遺書にも自殺の動機として上司の言動が挙げられていた。裁判で認定された上司のAさんに対する発言は、
「存在が目障りだ。居るだけでみんなが迷惑している。お前のカミさんも気がしれん。お願いだから消えてくれ」
「車のガソリン代がもったいない」
「どこへ飛ばされようと、俺はお前が仕事しない奴だと言い触らしたる」
「お前は会社を食い物にしている。給料泥棒」
「肩にフケがベターと付いてる。お前病気と違うか」
等々である(ウーン、確かに、ヒドイ・・・)。

(以下、次回へ)

投稿者: 柏木幹正法律事務所

2013.06.05更新

 一般的に、上司は部下を社員教育する立場にあり、部下に対するしごきや特訓も許容されてきた背景があるため、どこまでが熱血指導でどこからがパワハラなのかという境界線は微妙でわかりにくい。抽象的に言えば、上司の行為が社会的相当性を逸脱している場合には違法なパワハラにあたるということになる。
 
 社会的相当性を超えるか否かは、職種・職場の特性、職場の慣行、行為の悪質性・反復性、被害者の不利益の程度等を総合的に考慮して判断される。

(次回へ)                                                          

投稿者: 柏木幹正法律事務所